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決算特別委員会が終了しましたのでご報告

◉10月20日の決算特別委員会総括質問発言

大浦美鈴の質問内容と区からの回答

 

私:

【この度の統一地方選挙では、社会福祉士の立場から高齢者の方達ををお支えすると訴えをし、議会へ送り出してい    ただきました。私が大切であると考える「心身共に健全な高齢期を過ごす為の環境整備について」

 

本区では、誰もがかがやくひとまちたいとうを掲げ、様々な施策を行っており、私も議員の1人として、実現に向けて尽力したいと思い、提案です。

 

高齢者の健康を取り上げる際、重要な三要素として「運動、栄養、そして何より人とのつながり社会参加」が大切であると言われていますが、それらを網羅し、包括的に高齢者を支えて行く多様なプレイヤーを巻き込んだ包括的な長寿まちづくりについて提案させて頂きます。

 

地域包括支援センターがデータを一括管理し、医療、介護、保健等のデータを一体的に分析。高齢者一人ひとりを必要なサービスに結び付けていく。

産官民の多様なプレイヤーと連携しながら、具体的な相談や助言・指導を行っていくべきと考えます。

 

 

質問の答え:

高齢化の進展に伴い、高齢期の健康保持・フレイル対策は、ますます重要になっているものと認識しています。

区では、健康寿命の延伸にむけて、高齢者の特性に応じた、きめ細かな支援を実施するため、所管課にて、医療・介護データを一体的に分析し、地域包括支援センターにおいてデータを活用し、圏域ごとに健康課題を基にしたフレイル予防の事業を進めているところで高齢者が「いつまでも自分らしく暮らせるまちの実現」のため、大浦委員のご提案をふまえ、今後さらに地域包括支援センターが、地域における様々な活動や医療専門職・福祉職等との連携を深め、地域全体で包括的に支え合うまちづくりを推進して参ります。

 

との回答を頂き要望が受理されました。

 

本区に住まう高齢者一人ひとりを必要なサービスに結び付けていく。私の望みです。

実現出来るようこれからも尽力して参ります!

 

 

*フレイルとは・・・

加齢により心身機能が低下することで放置すると生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状況であり、健康と要介護の中間になります。単なる身体機能の低下ということだけでは無く身体的、心理的、社会的と多面的な側面を持つのが特徴です。

私が質問している動画がYoutubeで見られます!

ぜひご覧ください。

以下、動画内での全文です。

 自民党の大浦美鈴です。

この度の統一地方選挙では、社会福祉士の立場から高齢者の方達ををお支えするとお訴えをし、議会へ送り出していただきました。私が大切であると考える「心身共に健全な高齢期を過ごす為の環境整備について」三点質問させていただきます。 

 まず最初に、多様なプレイヤーを巻き込んだ包括的な長寿まちづくりについて質問させて頂きます。

本区では、誰もがかがやくひとまちたいとうを掲げ、様々な施策を行っており、私も議員の1人として、実現に向けて尽力して参りたいと思っています。

 日本では人生100年時代とうたわれていますが、健康寿命とのギャップ、言い換えれば、人生の内容が私たちの理想とは乖離があるように感じています。2025年問題を目前にした、今生き生きとした快活な高齢期を送るためには、身体が健康であることはもちろん生きがいや社会参加が大切な要素であります。

 今年5月に台東区民会館で講演された老年学(ジェロントロジー)の第一人者であります東京大学 高齢社会 総合研究機構長の飯島勝矢教授によれば高齢者の健康を取り上げる際、重要な三要素として「運動、栄養、そして何より人とのつながり社会参加」が大切であると説いています。

 飯島氏曰く、コロナ禍、多くのシニアは感染予防を意識し早くから外出を自粛してきた結果、家で誰とも話さずに過ごしたり、食事を抜いたりする生活が続き、別の健康リスクを引き起こしてしまったと指摘しています。

 高齢者は2週間の寝たきり生活で7年分もの筋肉量を失うことが判明しており、外出の減少により歩く距離が少なくなり骨を強くする日光にあたる機会も減少。要介護の一歩手前の状態「フレイル」に進んだリスクを伴ってしまったとおっしゃっています。

 フレイルとは加齢により心身機能が低下することで放置すると生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状況であり、健康と要介護の中間になります。単なる身体機能の低下ということだけでは無く身体的、心理的、社会的と多面的な側面を持つのが特徴です。

 フレイルが進むことで趣味や地域での集まりも積極参加は望めず、人と話す機会が失われ、結果噛んだりのみ込んだりといった口の機能が衰えるオーラルフレイルにつながります。栄養をとりにくくなって全身の筋肉が衰え、孤立化が進んでしまい、ますますフレイルが進み認知機能に影響し、負のスパイラルが起こることが懸念されます。高齢者の社会参加の減少に起因する孤立感は、社会的に解決すべき課題の一つとなっています。

 積極的に活動できる人はラジオ体操やコミュニティに参加、ボランティア、シルバー人材センターなどにも登録し、積極的に働くこともできますが、さまざまな事情でそうでない方にはどうしたら良いでしょう。

 社会福祉法第4条3によれば、地域住民が抱える福祉問題は地域住民等が解決すること、社会からの孤立と活動参加の機会が確保されるよう特に留意するものであると明記されています。

 近隣の方が買い物などのついでに高齢者の方の様子を見に行き「元気?どう?」など一言話しをするだけで、果たされる地域の見守りも、実践出来ずにあるのも現状です。

 地域住民が解決すべきことをいかに行政が後押し出来るかこれが、重要な課題となります。

 ここで、先進的な事例として東京都多摩市が実際に行っているフレイル予防対策について紹介いたします。

多摩市は人口:148,724人、高齢化率:26.5%

 多摩市では、日本最速と言われる速度で高齢化が進む一方、元気な高齢者が多く、盛んな市民活動が行われています。健幸長寿の実現に向け、平成29年度から「TAMAフレイル予防プロジェクトを開始 。60〜80歳代を「フレイル対策期」 とし、地域の皆でフレイルを予防社会参画を促進する活動を実践しています。

 参加者からは、サービス事業のサポーターが生まれたり、通いの場を立ち上げたりする方も出始め次世代の多様なプレイヤーの育成が進み、私が目指す包括的長寿まちづくりのしくみが出来上がりつつあるようです。

 本区においても今年度から実施されている自治体との協働によるフレイルサポーター養成が始まりました。元気高齢者の方達で構成された「区民の手による区民のためのフレイル予防の取り組み」が始まったことは高く評価しているところです。

 さらにフレイルサポーターを増やすことで講座を開くなどのアウトリーチなど、フレイル予防の注意喚起を促しキャンペーンなども各所で行うことが期待できます。

 また本区では、昭和49年にいち早く実施した友愛訪問があります。この活動は19世紀のヨーロッパで始まったボランティア団体による高齢者の訪問です。本区の実施は他自治体からも先進事例として扱われており、一区民としても大変誇らしく思っています。

 さらに本区にはさまざまな理由で社会参加が難しい一人暮らし等見守りが必要な高齢者を支える地域見守りネットワークという事業があります、銀行ガス水道などの事業者 新聞 牛乳などの宅配店など多くの関係協力機関で成り立ち、高齢者の見守りを行っています。

 このように、多様なプレイヤーを巻き込むことで包括的な長寿まちづくりを実現する為の提案を述べさせて頂きます。地域包括支援センターが中心的役割を担い、フレイル予防に関した一連のデータを一括管理。

 フレイルチェックによって得たハイリスク者を抽出、本人の同意のもと支援を実施していくとともに、フレイルサポーター等を派遣し、相談にも応じていく。

 集めたデータを集計することで得られる科学的根拠は、幅広く区民に対して介護予防や社会参加の重要性を説得力をもって伝えることができ、モチベーションを高めるためにも非常に有効と考えます。

 医療研究機関がフレイル予防啓発活動を実施、体験スタッフとして管理栄養士、歯科衛生士を派遣、フレイル予防講座を実施していく。自治体が包括的健康長寿のまちづくりモデルを構築することで、産官民が支えていく共生社会の大きな輪が出来上がり、結果 要介護認定率や医療経済問題の軽減も期待できると考えます。そこでお伺い致します。

 

医療、介護、保健等のデータを地域包括支援センターで一元管理し、高齢者一人ひとりを必要なサービスに結び付けていく。産官民の多様なプレイヤーと連携しながら、具体的な相談や助言・指導を行っていくべきと考えますが、区長の所見をお伺い致します。

       

ー答えー

ご答弁ありがとうございます。

健康寿命の延伸 生活の質の向上 健康格差の縮小 これらは単独で動くものでは無く、連携し、取り組むことで実現できるものであります。活力ある長寿社会の実現を目指し、ご尽力をよろしくお願いいたします。

 

続いてフレイル予防の周知啓発について

 前出の飯島勝也氏によれば、高齢者の真の健康を維持するには 「栄養・運動・社会参加」の三つの柱が大切ということは先ほども紹介しました。

 栄養面ではたんぱく質の摂取、これは一昔前の情報が、未だ存在し過分な摂取は控えると言うイメージが残っていますが、1日の摂取量の目安は体重1キロにつき1グラム、可能なら1.2~1.5グラムほど摂取して頂きたいところです。体重60キロの人なら60~90グラムです。ところが、200グラムのステーキでとれるたんぱく質は35~40グラム程度。シニアは筋肉がつきにくいこともあり、多めにとるくらいでちょうどいいと言われています。

 口の筋肉を落とさないように、歯ごたえのあるものをとり、口を清潔に保つことも大切です。、

 運動は、ストレス発散や脳の活性化にも絶対的な効果を持っています。自分に合ったものを無理のない範囲で続けていくのがベストですが、シニアの方は転倒リスクが怖いので、バランス感覚を鍛えることが大切であり、家の中でも簡単にできるトレーニングなどフレイル予防の注意喚起とともにチラシに載せ、キャンペーンなども大いに行っていただきたいところです。

 注目すべきは、しかるべき介入により改善できるポテンシャルをもつのがフレイルであるということ。フレイルの初期段階に気づくことは非常に重要になります。

 健康=財産という認識を広め、食生活や運動対してのヘルスケアに力をいれ、予防医療の啓発活動を広め、掲示板や区報を活用し目に見える形で健康問題の啓発に力をいれていくべきであると考えます。

 前述いたしました多摩市の取り組みでは、チラシ配布やホームページ掲載を行い、 近隣の方々への声がけ、医師会の先生方からも市民への声がけなどにより、 フレイル予防の周知啓発が盛んに行われています。

 お隣の中央区でもフレイル予防チェックリストによる健康状態や食習慣、運動習慣などの質問と健診を行いフレイル予防判定を行っています。

「フレイルチェック」を行うことは一人ひとりにとっては「現時点の状態に気づく」ため、地域全体にとっては「地域課題を見つける」「解決策を講じる」こういった手段に繋がります。

 本区の総合健康診査いわゆる健診では,75歳以上の方にはフレイルチェック項目がありますが、後の祭りとならないためにもいずれ65歳からの実施はぜひ検討いただきたいです。

 今できることとして、メタボ予防からフレイル予防へとギアチェンジを実践する。これが心身共に健全な高齢期へ進んでいける最大の手助けとなり、フレイルの初期段階の方の発見にも繋がるものと考えます。そこでお伺いいたします。

 フレイルチェックは、現況75歳以上の方の総合健康診査の項目となっていますが、より早期からの周知啓発が必要であり、健診の案内には、フレイルについて理解を深めるためのリーフレットと共に簡易チェックなども掲載し同封、活発なフレイル予防対策周知に取り組んで頂きたいと願います。

区長の所見をお伺い致します。

      

ー答えー

 ご答弁ありがとうございます。

フレイル予防は、心身共に健全な高齢期へ進んでいける最大の手助けになるものと考えます。

 フレイルについて認識のない方は意外にも多く、フレイルとは何か?フレイル予防の重要性、これらの周知徹底をどうかよろしくお願い致します。

 

最後に骨密度測定の周知について質問です。

 フレイルへと進む前段階である骨粗鬆症に至る「骨密度の低下」に関してです。骨密度の測定は、40歳以上の女性に対して本区でも不定期で取り入れているのは認識しております。しかし、せっかくの測定検査の案内が耳に届かず周知されていない現実も浮かびあがっています。

 果たして現在自分の骨密度の減少は、どのくらい進んでいるのか?自身が把握出来ているというのは大切な情報になります。

 健診に組み入れて頂くことが不可能とすれば なおさら、骨密度測定実施案内に関して、関係各課が協力し、それぞれ広く発信して頂き、気軽に検査が出来るような取組みを実践していただきたいと願います。

 区長の所見をお伺い致します。

       

ー答えー

ご答弁ありがとうございます。

フレイルに進む前段階である骨密度の低下を、区民自身が把握し、骨粗しょう症にならないようにすることは、大変重要です。

 現在行っている骨密度の測定について、積極的に周知し気軽に検査できる仕組みを作って頂きたいと強く望みます、よろしくお願い致します。